Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
八
「どうかしたのか?」
と、たずねた。
城太郎は戻って来て、
「おじさん、彼方から来たんだろ?」
「いかにも」
「二十歳ぐらいなきれいな女の人を見なかったかい」
「ウム見かけた」
「え、どこで」
「この先の夏身の立場で若い女を縄つきにして歩いていた野武士がある。おれも不審に思ったが、糺す理由はないから黙って見過ごして来たが、おおかた鈴鹿谷へ部落を移した辻風黄平の仲間だろうと思うが」
「そ、それだ」
「待て」
駈け出そうとする城太郎をまたよび止めて、
「あれは、おまえの連れの者か」
「お通さんという人だ」
「下手なまねをすると、おまえの命がないぞ。それよりも、やがてあの連中がここを通るのは分りきっているのだから、おれに仔細を話してみないか。いい智恵をかしてやらないでもないぞ」
城太郎は、すぐその人間に信頼をおいた。今朝からの始末をつぶさに話して聞かせた。五倍子染の男は、編笠のうちで幾たびも頷いて、
「なるほど、よく分った。だが、あの宍戸梅軒と変名している辻風黄平の仲間をあいてにして、女子供のおまえ達が、いくら歯がみをしたところでとても無益だ。よし、おれがお通さんとやらをあの仲間からもらってやろう」