Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
五
城太郎はまた、必死になって、打たれても、振廻されても、しがみついて離さない。
今に城太郎が、腰の木剣を抜くかもしれない――必然やるだろう。そうすれば、隠居も刃を抜いて応じるにちがいない。
お通は、あの老婆の、物に仮借しない気質を、身に沁みて知っている。悪くすれば斬り捨てられる城太郎かも知れないと思う。
「アア、どうしよう」
ここはもう七条の河下である。堤のうえを仰いでも人は見えなかった。
城太郎は救いたいし、お杉隠居のそばへ寄るのは怖ろしいし、彼女はうろうろするよりほかなかった。
五
「くそ、くそばば」
城太郎は、木剣を抜いた。
木剣は抜いたがさて、自分の首根ッこは、隠居の腋の下へつよく抱え込まれ、これはいくらもがいても離れないのだ。いたずらに、地を蹴ってみたり、空を打ってみたり、暴れるほど、敵を誇らせるに過ぎないのである。
「この童が、なんの芸じゃ、蛙の真似事かよ」
隠居は、三つ唇のように見える長い前歯に、勝ち誇った強味をみせて、なお、ぐいぐいと河原を引き摺って前へ歩いて来たが、
(待てよ)
彼方に立ちどまっているお通の姿を見てから、急に、老婆らしい狡智を思いついて、胸のうちでそう呟いた。