Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
髷をちょん切られた頭には、頭巾をかぶせているが、眉にも唇にも、暗澹とただよっている。
と。――その影を見つけ、
「もし……ここですよ、藤次さま」
その女も、頭巾をかぶっていた。渡海場に立って吹き曝されていた顔が、寒さに硬ばって、年をかくしている皺が、白粉の上に出ていた。
「お、お甲か。……来ていたのか」
「来ていたのかって、ここへ迎えに来ているようにと、私へ手紙をよこしたくせに」
「だが、間にあうかどうか、と実は思っていたものだから」
「どうしたんですえ、ぼんやりして――」
「イヤ、すこし、船に暈ったとみえる……。とにかく、住吉へでも行って、よい宿を見つけよう」
「え、あちらに、駕も連れて来ましたから」
「そいつは有難う、じゃあ宿も先に取っておいてくれたか」
「みな様も、待ちかねているでしょう」
「え?」
意外な顔して、藤次は、
「オイお甲、ちょっと待ってくれ。おまえとここで落ちあったのは、二人ぎりでどこか静かな家で二、三日悠っくりしようという考えじゃないか。……それを、皆様とは一体、誰と誰のことをいうのだ」
二
「乗らない。わしは乗らない」
祇園藤次は、迎えの駕を拒んでぷんぷん怒りながら、お甲の先へ歩いていた。