Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
「雑草ぐらいならよいが、雷で裂けた樹は裂かれたまま朽ちているし、暴風雨でふき仆された大木は、根を出したまま方々で枯れている。彼方此方のお社は、鳥が来て、屋根を突ッつくものだから、雨が漏っているようだし、廂の壊れているところだの、曲っている燈籠だの――どうしてこれがそんなに大切な所と見えるかい? え、お通さん、おれは聞きたいね――大坂城は摂津の海から見ても燦爛と光っているじゃないか。徳川家康は今、伏見城を始め諸国に十幾つも巨きな城を築かせているというじゃないか。京都、大坂、どこの大名や金持の邸をのぞいても、住居はぴかぴかしているし、庭は利休だの遠州だのって、塵一つさえ茶の味に触るなんていっているのに――ここがこんなでいいものかね。この広い神領に箒を持っているのは、おれと、白丁を着たつんぼの爺さまと、三、四人しかいないんだぜ」
三
お通は、くすりと白い顎を掬って、
「城太郎さん、それはお前、いつか荒木田様が仰っしゃった講義の時のおはなしと、そっくりじゃないの」
「あ、お通さんもあの時、聞いてた?」
「聞いていましたとも」
「じゃ駄目だ」
「そんな請売りは、通用しませんよ。