Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
朱実にはそれが、たのもしき人にみえ、この人ならもう何をいっても安心と思いこんで、
「おじさん、……わたし、死んでしまいたい、死んでしまいたい」
彼の膝へ、泣き顔を当ててもがくと、丹左は、あらぬ心地に、すこし当惑顔にさえなって、
「泣くな、泣くな、おまえが心からゆるしたわけではないから、おまえの心までは決して、けがされておりはせぬ。女性のいのちは、肉体よりは、心のものじゃろう。さすれば、貞操とは、心のことだ。体をまかせないまでも、心でほかの男を想うとすれば、その瞬間だけでも、女のみさおは穢らわしく汚れたものになっている」
朱実には、そんな観念的な気やすめに安心はしていられないらしく、丹左の衣を透すほど熱い涙をながしぬいて、なお、
(死にたい、死にたい)
をいいつづける。
「これ、泣くな、泣くな……」
丹左は、その背なかを撫でてやっていた。だが、白い頸のおののきを、同情しては見られなかった。このきめのいい肌の香も、もう他の男性に盗まれた後のものかとつい思うのだった。
さっきの小猿が、鍋の近くへいつのまにか来て、なにか食べ物をくわえて逃げた。その物音に、丹左は、朱実の顔を膝から落して、