Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
「どこへ、おいらが、お通さんを虐めてるかい」
「黙っていてね……じっと私と一緒に屈んでいてください」
「いやだい、牛の糞がそこにあるじゃないか。元日から泣いてなどいると、鴉が笑わあ」
「……なんでもいいの。もう……もうわたしは」
「笑ってやろう。先刻、彼方へ行った若衆のように、おいらも、初笑いに手をたたいて笑ってやるぜ。……いいかいお通さん」
「おわらい、たくさん」
「笑えねえや……」
鼻汁をこすりながら、むしろ彼は泣きたそうな顔をした。
「アア、わかった。お通さんは、あそこで武蔵様がよその女と、先刻からあんなことして話しているんで、嫉妬をやいているんだね」
「……そ、そうじゃない、そんなことじゃないけれど」
「そうだよ、そうだよ。……だからおいらも癪にさわってるんじゃないか、だからよけいに、お通さんが出て行かなければ駄目じゃないか。わからずやだなあ」
二
いくらお通が強情に屈みこんでいようとしても、城太郎の力で無理やりに手くびを引っ張るのにはかなわなかった。
「痛い。……城太さん、後生だからそんな酷いことをしないでよ。……私をわからずやだとおいいだけれど、城太さんこそ、私の気持なんかわからないのです」