Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵 (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 185.809 caratteri · 369 schermate
その自責からする折檻は、又八を撲った数よりも遥かに多い。又八は呆っけにとられていたが、青ぶくれになった虚無僧の額から血がにじみ出て来たので、止めずにいられなくなった。
「ま、ま、止したらどうだ、そんな無茶な真似」
「措いて下され」
「どうしたんだい」
「どうもせぬ」
「病気か」
「病気じゃござらぬ」
「じゃあなんだ」
「この身が忌々しいだけじゃ。かような肉体は、自分で打ち殺して、鴉に喰わせてやったほうがましじゃが、この愚鈍のままで殺すのも忌々しい。せめて人なみに性を得てから、野末に捨ててやろうと思うが、自分で自分がどうにもならぬので焦れるのじゃ。……病気といわれれば病気かのう」
又八は、何か急に気の毒になって来て、そこらに落ちている金を拾いあつめて、幾らかを彼の手に握らせながら、
「おれも悪かった、これをやろう。これで勘弁してくれ」
「いらん」手を引っこめて、
「金など、いらん、いらん」
鍋の残り飯でさえ、あんなに怒った虚無僧が、けがらわしい物でも見るように、強く首を振って、膝まで後へ退がってゆく。
「変な人だな、おめえは」
「さほどでもござらぬ」
「いや、どうしても、少しおかしいところがあるぜ」