후리가나로 읽는 일본 고전
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 260,015자 · 519화면
八、カルカッタで大宮孝潤・河口慧海に会す
八、カルカッタで大宮孝潤・河口慧海に会す
十三日、はじめてインド・フーグリ河口に達す。前日より海水ようやく泥土を含み、陸地に接するを覚えしが、今朝に至り、海面一色黄濁に変じ、はるかに陸端を認むるを得たり。シンガポールよりここに至るまで、千八百海里余ありという。フーグリ河は恒河の分流なり。海湾よりさかのぼることおよそ百マイルにして、カルカッタ府に通ず。この運河の間は、船行はなはだ困難にして、夜間はみな停船す。岸上に兵営あり、砲門ありて、河上を警戒するもののごとし。
十四日午後、はじめてカルカッタ府に入津す。河流をさかのぼることここに二日、その間四面広闊として、山岳はもちろん、丘陵だも見ることを得ず。実に大国の地勢なり。カルカッタ着後、哲学館出身者大宮孝潤氏をその寓居にたずね、当夕ここに一泊す。氏は久しくインドにありて、多年サンスクリットを研習し、黽勉怠らず、昨今大いにその歩を進めたりという。他日、一大プロフェッサーとなりて帰朝あるは、今より期して待つべきなり。また同氏の宅において、河口慧海氏に会するを得たるは、奇縁といわざるべからず。氏もまた哲学館出身にして、さきに千辛万苦をなめ、九死に一生を賭して、ヒマラヤ山中、無人の絶境に入り、ついに入蔵の目的を達するを得。