후리가나로 읽는 일본 고전
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 260,015자 · 519화면
二三、南インド洋の航路
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二三、南インド洋の航路
三十日、曇り。晴雨不定。暁窓はるかに帆影を望む。インド洋を風走する帆船なり。南風波を巻き、その寒さ冬のごとし。甲板上に種々の遊技あり。小児のポッテット競走、大いに人をして笑わしむ。
三十一日、晴れ。中天雲なく、終日日光を見る。軟風軽寒、南緯三十一度に達するも、なおわが十一月ごろの寒気を覚ゆ。今夕、また食堂において大合奏会あり。
六月一日、晴れ、かつ暖。暁天、雲波相連なる所、虹霓半弓を見る。また信天翁の潮風に舞うあり。
印度洋無レ際、暁天虹半弓、鯨波浮二旭影一、海鵝舞‐二潮風一。
(印度洋は果てもなく、あけがたの空に弓のような虹がかかる。大きな波に朝日の光がきらめき、信天翁が潮風に舞い飛ぶ。)
海鵝とは信天翁をいう。陸地を離るること一千六百マイル以上の地点に来たり。インド洋の中心にありて、阿房鳥のひとり飛揚するを見て戯れによむ。
阿房とはたが名づけしか大海を、はうちて渡る影ぞいさまし
風穏やかなれども、海水波動をえがく。午後、小児の盲目競走および大人の障害物競走あり。
二日、晴れ。晨起遠望するに、渺茫無涯の海天、断雲日面をおおい、その間隙より旭光の放射せるを見るは、すこぶる壮快なり。