후리가나로 읽는 일본 고전
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 260,015자 · 519화면
第五、北極海観光日記
三六、北極海観光の一行
(十里の市街区には河上の塵もなく、七百万余の人民をいれている。街はみな山の重なるような高低の家屋が建ち、路はおのずから波の打ち返すように人が去来する。地下鉄の車中は夜も昼かと思うほど明るく、水晶宮の中は夏にもかかわらず春のようである。日々新しく月ごとに盛んに文化の繁栄をなし、天下のいかなる首都も肩を並べることはできない。)
別に五絶一首および和歌一首あり。
車塵遮二白日一、炭気鎖二青天一、市外望二竜動一、茫茫只見レ烟。
(車のあげる塵は日光をさえぎり、石炭の排気は青空をとじこめる。市外より竜動の市街を眺めれば、みわたすかぎりぼんやりとして、ただ煙をみるのみ。)
電灯の光りに地下も照されて、文明の世は暗なかりけり
また、テムズ川の月を望みてよみたる一首あり。
テームスの川は烟にとざゝれて、月の景色は見るかけぞなき
二十一日、炎晴。北極海観光の途に就く。サンマース氏夫婦および大場氏、余を送りて停車場に至る。その紀行は別編目となす。
第五、北極海観光日記
三六、北極海観光の一行
明治四十四年七月、英京ロンドン客中にわかに思い立ち、北極海観光の一行に加わり、欧州最北地点なるノルウェー・ノールカップにおける夜半の太陽を望見せんことを期し、パケット会社の観光船エーボン号に搭乗することを約す。