후리가나로 읽는 일본 고전
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おうべいかっこく せいきょうにっき
井上円了・世界旅行記
井上 円了
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 260,015자 · 519화면
第八、南米東部紀行
五九、ブラジル首府リオデジャネイロの実況
第八、南米東部紀行
五九、ブラジル首府リオデジャネイロの実況
明治四十四年九月十四日、南米ブラジル国首府リオデジャネイロ港に入船す。同市は面積九万マイルの間にまたがり、人口八十万を有する大都会なり。そのうち五分の三は白人種、五分の二は黒赤人種となすも、そのいわゆる白人種中に、黒奴およびインデアン土人の血のいくぶんの混ぜざるもの、ほとんどまれなりという。リオ港は湾の曲折多く、群巒連峰のこれを囲繞するあり、また小嶼の散在するあり。これに加うるに、草木の繁茂せると、山容の雅趣に富めるとは、世界万国の都会中、他にいまだ見ざるところなり。船のここに錨を投ずるや、田辺治一郎氏が代理公使藤田敏郎氏の命を帯び、船中に来たりて余を迎えらる。氏とともに短艇に移りて上陸せんとするも、多数の下等船客先を争って船を下らんとし、非常の雑踏を極め、いかんともすべからず。着船後三時間を経て上陸し、下宿所に入る。ときに午後五時、細雨ようやく至る。寒暖六十八度、わが梅雨の候のごとし。リオ港は天然に港湾の美を有するも、築港いまだ完成せずして、巨舶を埠頭につなぐあたわず、船の上下必ず小舟を用いざるを得ざるは、その欠点とす。