후리가나로 읽는 일본 고전
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
吉川 英治의 源頼朝(みなもとよりとも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 306,118자 · 613화면
今では、墨染の里に、かなりな家構えして、何不自由なく伯母も暮していると聞いていたので、頭殿からうけたご恩に対しても――と、ただ一つの身の寄る辺と頼って来たのであった。
「いけないっ」
「いやあん」
「母さま! 乙若が」
「うそだあい」
「お出し」
「うそ。うそっ」
ふいに走り出した幼い兄弟が、何を争い始めたのか、彼方の道ばたで、取っ組まぬばかりに、大声をあげていた。
うつつな――ともすれば、うつつとなって考えるともなく考え事に囚われがちな彼女は、びっくりして、
「これ」
と、小走りに近づいたが、今若も乙若も、喧嘩を止めないばかりか、懐の乳のみは、すぐ虫気を起しかけて、泣き出すのだった。
「おお、よしよし……よし」
こんな所へ、もし平家の侍や宿場の沙汰人でも通りかけたらと、彼女は気もそぞろに縮まる思いで、
「今若さま、これ今若さま。お兄様のくせにして、何を遊ばしますぞ。幼い弟御様をば、そのように打ったりして」
懐には、乳をふくませ、声のない歌拍子に、足をうごかしながら、窘めると、
「だって。――だってね、お母あ様」
兄の今若は、一本の串柿を、弟の手から奪い取って、母の前につきつけながら、口を尖らして告げた。