轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

春雪写山行「旅」1940(昭和15)年4月<br>黒部川峡谷の話「山岳 第十二年第一号」1918(大正7)年2月<br>枯木の美と怪「国立公園」1952(昭和27)年3月<br>雪山と廃道「山 二巻二号」1935(昭和10)年2月<br>七面山冬ごもりの記「山小屋」1947(昭和22)年<br>黒部川初遡行の追憶「山と渓谷」1939(昭和14)年7月<br>大雪山あれこれ「国立公園」1955(昭和30)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,905 字 · 262 页

青空文庫

かつて覚えのない、さびしさだった。

宝剣岳の挿図

――彼こそ俺の知己……それも新らしい、そして最大の知己ではなかったか。そんな考えが、つづいて俺の胸にひらめいた。俺はまだ彼と語りあいたい事が、山ほどあった、という気がしきりとつのって、何か美しい夢を、半途で見はぐったような悔いに責められた。彼が俺を解し得たほどに、俺は未だ彼を解し得たとは思われぬ。残念だが、そこは能力のちがいで、是非もない。それにしても、さだめし彼には、貴い経験や人に知れない辛苦も、数々あることだろうに……。さっきの画家の背ろ姿が、まざまざと眼によみがえる。それが又、たまらくなく淋しげに見えるのだ。何だかそれは、――彼も人間界では、ここにいるほど、仕合わせではない、と打ち明けてでもいるかのように。(――しまった、俺は……)、しかしその時、

「何と思っても、お前は彼の後を追うわけには行くまい。だが今ではお前は、彼の画の中と言わず、彼の温かい血のめぐる胸の奥に、大事にかけて、生かされているはずではないか。その上、よしや遠く雲をへだてようとも、きっとお前は、彼と語り合うことができるのだぞ!」