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あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

春雪写山行「旅」1940(昭和15)年4月<br>黒部川峡谷の話「山岳 第十二年第一号」1918(大正7)年2月<br>枯木の美と怪「国立公園」1952(昭和27)年3月<br>雪山と廃道「山 二巻二号」1935(昭和10)年2月<br>七面山冬ごもりの記「山小屋」1947(昭和22)年<br>黒部川初遡行の追憶「山と渓谷」1939(昭和14)年7月<br>大雪山あれこれ「国立公園」1955(昭和30)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 132,905 字 · 262 页

青空文庫

北斎・広重・英泉

むすび

浮世絵では、北斎と広重が相ならんですぐれた風景画家だが、北斎は支那趣味が強く、それが強味にもなっているが、また邪魔もする。赤富士や夕立富士はけっこうだが、なにか窟屈なところもある。広重は温潤で、日本山水の特質を素直にとらえていて、街道ものに味が深い。英泉の浅間高原の荒凉味などは、また独特の感がある。浮世絵には、だいぶ西洋画法が入っているのを注意すべきだ。

むすび

上代に厚くて近代に疎になったが、伝統はかくも長くかつりっぱだ。しかし因襲も深い。

明治以後の文運は、山水画もさかんに描かせた。西洋系の画は、山では日本画におくれたが、近代登山の普及とともに、そうとう山も画題にとりあげるようになった。しかし山を主じの座にすえた画は伝統にもまれだ、(富士を除いて)。

そこで敬愛の心をもって山を見つめ、山中山上の絵画の処女地に画材を探る、われらのいわゆる※(始め二重山括弧、1-1-52)山岳画※(終わり二重山括弧、1-1-53)の生れたのも、必然というべきであろう。

(昭和二十九年旧稿に補訂)

槍の肩に宿す

飛騨しなの高根しぶきて天の川

高山蝶発見物語

田淵行男君著「高山蝶」