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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

三月十五日

三月十七日

今議会へケンチク士法案を出したいとてアッセンして居る由、佐野利器が利己心からジャマするとフンガイして居られた。

三月十五日(日曜)雨

九段画廊に中村氏遺作展覧会アリ、今日ギリ。国男と行コウと楽しんで居たのに雨で雨具なしなのでやむを得ず一日家にぐずつき、夕刻スエ子をつれ、俥でかえる。スエ子きのう買ってやった『赤い鳥』を熱心によみ、うちに来ても茶の間に坐ったなりよみつづけて居た。この間星野氏へ紹介した小川氏とし子と礼に来る。そのうち、尾瀬敬止の始めたロシア芸術協会の発会式に行ったYかえる。三人で食事。スエ子けんたんで愉快。ただ彼女の性質には、天成のノビリティーというものが少いように感じる。私の間違いか。

三月十七日(火曜)晴

思いがけぬ寝坊。十二時すぎゆっくり食事をすませたところに国男が来、おともがある、誰だかあてて見ろ、という。植木のかげに、かくれて居るひさし髪の頂見ゆ。母上。水道橋に来たついでによったと云われる。この家へは始めてなので、歓迎した。フト気づくと三時少し前だというので大いにあわてキものをかえ、日比谷まで車で送って貰う。山本有三「同志の人々」