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にっき
日記
宮本 百合子
11 一九二五年(大正十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页
四月三日
「おせっかい」をよんでの感想なのだが、里見※(「弓+享」、第3水準1-84-22)が中戸川二人に対するだけの鋭い反省を自己に加えず、たださばけたおじさんとなって納っていく心持になって居ることを、野上さんはっきり批評し、大いにそうと思う。彼女が昨今、自分が作をするときああいう客観的態度のみをとるのは、いつか自分のことについて書くとき、その冷やかさ、ようしゃなさを、自分にふりむけたいからだ、という。このこと、あとまで頭にのこる。心がけとしては立派だ。しかし芸術の作品は心がけによって得た冷やかさ、鋭さ、反省のみで完成されるか? その一方に傾きすぎた修業のため、他面に、芸術家として大切な何ものかを失いはして居ないか。
彼女近眼で眼鏡をかけない理由、
(一)、くっきりした輪廓は失う代り絵画的に明暗と飽和した色彩とを見るため、
(二)、第一印象が鋭く、芸術的になるため、
(三)、抽象世界が豊富になるため、等。
野上さんの言葉で忘られないもの
「夫婦生活で一番いけないのは不自然になることですよ」これは結婚したものでなければわからない心持だ。
四月三日(金曜)
英、国、春、スエ子等来。