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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

三月十九日

三月二十日

Y一歩先にかえって居たよし。画を見せ、ほめられ満足。

三月十九日(木曜)

のりについて私共は益※(二の字点、1-2-22)信用を失った。Y彼女の荷もつをしらべろという。いやなことだ。実にいやなことだ。が、無くなったものを皆あれもそうか、これもそうかと思うのはなおいやとY主張する。そうも云える。Y見る。細かい、一寸したもの出て来る。変な気持がした。あとで、すっかり荷もつを入れかえて、又元の女中部屋に戻す(四畳に来て居たから)のり使いからかえり荷を勿論すぐあけただろう。どんな気がしたか。自分ならもう二目と主人は見られないと思う。辛い。のり、割に平然として居る。あとで少し泣いて居たらし。一つ家に、信じないもの同士のすむ恐ろしさ。つくづくいやで居心地わるかった。

三月二十日(金曜)晴

朝昼けんたいの食事が終りかけて居たところに、『婦人の国』の富沢来。スケッチをとってゆく。気稟のない絵を描く。但、口は達者で、大いにひとを飲んだ気なり。小生意気な男。

程なく、小山という叔母、のりをつれて来る。Yのかえる迄三時間近くあいてをす。人に会いつづけでうんざり。のりをつれてかえる。