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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

十月五日

十月六日

あまりよろしくなし。僅の金でこれだけたのしむ、Yのマネージなり。

「マイステル」。面白いのでY、とってよむ。自分すきを見て又奪いかえす、Yとる。自分とって今度はよんでしまった。

「マイステル」、ゲーテがどんなに精力家で、かつ自由な経験をもった人かがわかる。なのに現れて来る女性、ことごとくよし。ミニヨンなど、ギリシア的悲壮美に満ちて居る。あれ丈女を書くのでも一通りではない。

十月五日(月曜)

まだ床に居るうちに秋庭氏来。

早稲田・市俄古チームを見ようとて誘う。自分ゆきたし。Y、仕事があるのでしぶる。しかしゆく。面白し。ひどく面白いが力んで骨が折れる。余りはっと思わせる球は出なかった。久米氏、白きパンツ、空色に近い上着、キャップにケーンという老中学生のいでたちで来て居た。

実にいろいろな男、女は少し。ああいうところへゆくのも人間の種類と見てよろし。かえりにどしゃぶりの雨となる。

十月六日(火曜)

ふるみふらずみ、

Y会、自分四谷事務所へゆき、かえりに会による。Y、つかれたのか頭が重い由、岩波で鎌倉へ送って貰った原稿紙の金を払い、大同に廻る。余り本なし。奥に春日氏の声す。