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にっき
日記
宮本 百合子
11 一九二五年(大正十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页
二月十五日
食後、楽しく喋り、いろいろして居るうちに、三時すぎ。眠ったのは四時頃であったろう。楽しい平和な一日であった。自分の誕生日をこの位しんから愉快に晴々と送ったことがこれ迄一度でもあっただろうか、という事を頻りに考えた。面白い。今日は西洋人のいやがる十三日 Friday だ。それでも自分にはこんなによい日。
〔欄外に〕「イスカリオテのユダ」。
二月十五日(日曜)
ロランジの音楽会だかティケットをきのう山岡にかえした手紙に入れてやってしまったし、Yは行かないというのでやめにし、起きるとすぐ倉知にことわらせる。『日日』の広告で原町に家があるというのを知り二人で出かける。随分歩いたが、思わしい家でなく、Y、東中野に人見氏を訪ねるという。もう一軒大塚坂下町九〇にある家を念のため見ようと出かけ案外よいので、それにきめる。引越しをして居るところで入っては見られなかったが、六・六・四・二という間どり。六と六との間が壁だというので大変によろし。湯殿をつけて四十八円位。家賃も手張らず。前に高師の果樹園があり狭い通りだが郊外的だ。山岡にかえり、久しぶりで入浴、本を片よせてやすむ。