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にっき
日記
宮本 百合子
12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页
二月二日
家移り、北小路というところ、小さい教授連の家らしいもの多くあるところ、令嬢嫁し、博士全く独り、雇人と暮される由、或感動を与えられた。樹木多き札幌の雪は、小樽より風情多し。バチェラー、夫人昔ながらのキャップをつけ、相変らず好人物。バチェラーの妹という old miss、冷やかな、哀れな老婦人、笑いを知らず。八十二まで生きた母の世話をした後こちらに来た由、ああいう顔にもなるのが尤もなり。八重、肥え、よほど先より健康そうになって美し。快活にもなった。エクサイトし、手をやや暫く握ってはなさず。とめられて泊る。夜の祈祷に連ったが、一種不自然な習慣の惰勢をその祈祷に感じ不快。八重、元のセンチメンタルな憂鬱は脱した。面白し、この変化。
二月二日(火曜)吹雪
十一時近くで小樽にかえる。八重、ステーションまで送って来てくれる。父上まちかね、丁度今おひるがすんだというところであった。バチェラー九時の汽車で来たと云って居たが越中やに来た由。仕事のために父上百円寄附した由。食後二人で正直を訪ね、市庁へゆき、三井銀行にゆき、歩き廻って帰宅。正直夕飯に来る。九時二十何分かのにて出発。