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にっき
日記
宮本 百合子
12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页
三月十日
三月十一日
まあこれが両だめであろう。すぐ誰にもたのまず書いたものをのせ得る方便があるのだから。活字になって見ると、あらがよく見えてよろしい。
三月十日(水曜)雨
いやな日、ひるすぎ網野さん来、安藤、三沢、安成二郎、中井夫婦来。
網野さん泊る。始めて。
つかれ、話しすぎその他、自分よく眠れず。bed に来たいと思ったが、あみのさんが気にするといけないと思って我慢。
『新潮』の「浦島」をよもうとて、Y、とし子に買わせる。広津の「白霧」評、合評、その他、Yフンガイしてもう「浦島」をよまず。Y、私をヒイキにし、おこる。
合評会の云いぐさ、今に見ろ! と思う。しかし客観性の足りなさは、自分として承認せざるを得ないと思う。私は一体客観性のあるようでない女なのだから。
〔欄外に〕
この日記、ずっと経ってつけて居、批評によって受けた心持変って居る。
「白霧」の二つの方がよくなかったとしたら、それは佃に対する心持より、あの作に対しての心持、つつしみの欠乏によったものと思い、閉口して居る。いい心持になりすぎ――まあ勢にのりすぎのような傾向、つつしむべし、つつしむべし。
三月十一日(木曜)