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にっき
日記
宮本 百合子
12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页
十一月十一日
十一月十二日
くれにお金が来たらこの人に靴を買ってやって羽織をかってやって。」そういうこと、いかにも有馬さんの愛を示し羨しい位であった。
有馬さん、生活費のたしには、宝石箱などに金泥でミニチュアを書いて居る由。面ソウの細い細いのでかく。
十一月十一日(木曜)
Y、体の工合大分わるくて苦しがって居る。自分『女性』の小説「一太と母」を徹夜で終る。
○Yの体はどういうのか。おキューをするといいのはフシギだ。気むずかしくなってグズグズいう。自分もナアバスになって居るから互にシャクにさわる。可笑し。
○夜仕事をしながら有馬さんに貰ったハガキを眺め、有馬さんの真心につき感じ幸福を祈った。
○「貧しき人々」素晴らし。エキスプレッションの自由さ――つまり作りものをする気でなく心の溢れるままに溢れる美。これが大切。
〔欄外に〕
Yのオキュー。体に沢山のおキューのあとがあるから、Yが万一外国で病気したらそのおキューを何とフランス語で云ったものかと夢現に考えた。ネシナニ。
十一月十二日(金曜)
『女性』に送る。「一太と母」三十二枚。フィリッポフのところへゆく。
○夜中に一時間もかかってYのおキューをすえたりしたので朝になって眠り、つかれすぎた故か一寸変になって、目がさめたら二時。