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にっき
日記
宮本 百合子
12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页
九月二十六日
九月二十七日
十月八日
自分がわるいのであろうか? どこか?
野上さんの根気よいところ、忍耐づよいところ、それ等を私はどんなにか高く買って居るのだが、何だか窮屈で――彼女が高いところに居て、というより、狭く、人生にもうキメって居、ガンコなところがある為――腹が立つところがある。彼女は、私の作品がYの影響で自分とはまるで傾向を異にしてしまったと思うのだろう。ジッドの云い草ではないが、影響というようなものではない新しい一つのインスピレーションを彼女から得たというだけだ。勿論私は元のペダンや偏狭さ、自分だけいい気持の上品さはなくしただろう。然し私が下等になったのか? いや!
九月二十六日(日曜)
スエ子来。中村白葉
〔欄外に〕
アンドレ・ジッドのシャルル・ルイ・フィリップ。
よいよみものであった。いろいろな意味で力をつけられる。
九月二十七日(月曜)
『新潮』にやる小説終る。きっちり三十枚
十月八日(金曜)
単行本にするのをすっかりよみなおして見ると、なかなかこのまま本には出来ず。特に始めの方よくないのが多い。書きなおし始める。もう二年も経つと大分自分の感情でも違ったところが出て来て居るから。