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にっき

日記

宮本 百合子

12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页

青空文庫

七月十六日

十月十三日のところ、母上対 Okabe の心持書いてある。それに対する又自分の心持など。あの頃から見ると、三年の間に、母も老られた。女性の四十八九歳という年頃。自分はその時代をどのように経過するであろうか。

○フロをたき乍ら、婦公、の武林文子の文をよむ。人世と闘い、あばずれて居るという感じ。然し何か心を動すところあり。

〔欄外に〕

私の六畳はなかなかあつし。鎌倉を思い出す。

昨夜Y、ねしなに去年は十五日に秀雄が来、十六日に京都にかえったねという。

本当にそうであった。

七月十六日(金曜)晴

九十一度。去年の今日は七十八九度であった由。なかなかの暑気。自分昨日より引つづき仕事の下拵え。今度のところは苦しい。――本当に正直にならなければならないから。正直になると、あることに対し、理想的結末を結び得なかった悲しみを新にするから。

Y、あついあついとて何も出来ず、「アンナ・カレニナ」をよんで居る。

○自分一昨々日林町から帰ってからどうも胃の工合悪しく、今日、朝パン二片、ひるスープにパン一片、晩、飯一杯半という有様。

半ば暑気あたりらしい。

〔欄外に〕

大塩平八郎を、吉蔵かつて戯曲とする。