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にっき
日記
宮本 百合子
04 一九一七年(大正六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页
三月二十二日
三月二十三日
自分と同じ年頃の者が若し恋でもして居るなら、それをソーッと守って喜ばせてやりたい心持がして居る。
三月二十二日(木曜)
まだ会田さんがよくならない。天気もかなりいい。そこでお祖母様は急に仙台行きを思い立った。有江の眉がなくなったことや、松尾の家のあくことを口実として。二時少しすぎの汽車で行く。かなり仙台まではあるので、暗くなってくると、こんなに遠いなら来なかった来なかったとしきりに云われる。
仙台のステーションの前は広くて明るくて、一寸上野のような感じがある。フト暖かいような心持がした。俥で家まで行く。思ったより立派だった。が、かげの部屋で、アア今ごろ、と云う奥さんのささやきをきいたときには、アア間違ったと思った。来なけりゃあよかった。おじぎをしながら、よくいらっしゃっただの、大変うれしいと云われても、何だ口先で、とほか思えなかった。ひがんで来たら御免なさい。けれどもああ云われると私は堪らない。
三月二十三日(金曜)
他人の家に居ると、何だかよく眠られない。八時少し前に起きたので、眼の周囲が脹れぼったくて少し心持が悪い。さぞ荒れたような皮膚をして居ることだろうと思う。