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にっき
日記
宮本 百合子
04 一九一七年(大正六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页
七月十三日
七月十四日
四十を越した年配で、人の母となり妻となって居る婦人は、例えどれ位正しい考えを持って居ると云っても、又真個に持って居ても、それは皆或程度までで、驚くべき所謂利口さを持って居る。私が見ると、恥かしい術策を巡らすことも、彼女にとっては何でもない、それほど今までの世の中は、数多いプロットに満ちて居たのである。
七月十四日(土曜)
自分は、今まで自分が愛して居た者と云う者に非常な疑問を持って居る。Hはどうしたと云うのか。彼は全く、Kの云った通り、弱者の専横をほしいままにしたのか、全く私はこの度のことによって、少なからず心を開かれたことを、幾分の忿怒にかえて感謝する。私が、涙をながし、尊い一日の幾分をさいてそれを苦にするのには、今は小さすぎる相手となっては居るが、彼の心理は、充分研究するに価する。少くとも、質実らしく見えて居た彼が、金のために如何なる家系の婦人とでも、結婚しようと云うのは、そして、それを虚偽の言葉で、飾ろうとして居るのは、彼の心が根本的に変化したのであるか、又先天的にそうであったのか、変化したとしたら、その原因は何か、彼の頭が益※(二の字点、1-2-22)低く堕ちて行くのを見ることは、決して楽しいことではない。