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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
09 一九四二年(昭和十七年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 65,952 字 · 130 页
私は知らないのですから。ハンドバッグにでも入って三日がたったのね。マッサージはこの間の手紙で申し上げたように、私が夢中の間に体中の筋肉が痙攣のように緊張してひどい力が入って、すっかりしこりになっているのをそろそろなでてほごして、そちらの方からも神経の鎮静をしようというので色々研究して刺激が強くないように考えてやって居りますから御安心下さい。十七日の夜予定通り二人のお医者様が落合って、眼の検査をして下さいました。ビタミンBの欠乏による軸性視神経炎というもので、眼底に致命的な故障はありませんそうです。これは本当に嬉しいことです。盲目になり切ることはないというわけですから。今みえないのは、まだ眼底に充血が残っていて、細胞の間に漿液のようなものがしみ出しているのだそうで、それを吸収させるために新しくヨードカリを主にした薬を段々量を増しながら飲んでみることになりました。Bの注射は元通りです。少しよくなるまでにも数ヵ月はかかる見込みだそうです。
一昨日お医者が来て、今の私の神経の疲れ工合、恢復の調子からみて少くとも一年は静養しなければならないと始めてはっきり言われました。