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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页

青空文庫

「とんでもありません。わたしの小さい力では、とてもそんな大仕事は出来ません。皆さんと力を合わせて努めるだけです。それに、組合が出来たら、わたしなどのような若造は引っこんで、先輩の年功の方に、組合長になって貰います。わたしは平組合員で結構です」

幾度も準備世話人会が開かれた結果、聯合組の古参小頭、進藤利三が組合長に決定した。金五郎は、責任ある位置につくことを堅く固辞したけれども、満場の推挙で、副組合長の役に据えられた。

小頭組合発会式の報を聞いた友田喜造は、

「ふン、半年もつづいたら、お目にかからんよ」

と、せせら笑ったということであった。

品川信健が、「若松実業新聞」の社説で、金五郎を賞讃した。漢学をやったという筆者の論調は激越で、これを読んだ金五郎を当惑させた。

「暴力をもって、正業の人士を扼す。それ何ぞ、鬼畜に類するや。正義の徒、断乎、起つべし。最後の勝利は、吾にあり」

「吉田一派の弾圧と迫害とに屈せず、遂に小頭組合を結成せる玉井金五郎君に、満腔の拍手を送る。吾、彼に一個の英雄を見たり。百万人といえども行かんの気概、壮とせざるべけんや」

「同志よ、暗黒の中に、炬火をかかげたる玉井金五郎の後に続け」