轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
そのあげくに、
「今夜、散財するのもええが、大事な現金をたくさん持っとるけに、早目に切りあげて、帰った方がええぞな」
大きな声で、そういった清七に、金五郎は、いきなり、膝をつねって、合図した。かたわらの彫青男が、眼をぎらつかせて、聞き耳を立てていることに、気づいたからである。
しかし、かんのにぶい清七は、さらに、金五郎から、眼くばせされても、まだ、わからず、
「なんするのぞな、無茶しよって。痛いじゃないけ。金さんの力で、ひねられてたまるもんけ」
と、恨むまなざしで、友達を見た。
金五郎は、はがゆくてたまらなかったが、
「清ちゃん、お前、今度の鎮守祭には、「三勝半七」を語るのけ?」
と、話題を転じた。
「いんや、「太閤記十段目」にしようと思うとる。……じゃが、痛いなあ。青じみになったわ。どがいなわけで、金坊は、こがいなひどいことを……」
なおも、清七が、ぶつぶつと、そんなことをいいかけると、寝ころんでいた変な男は、くるりと起きあがった。浴衣をぬぎ、手拭をぶら下げて、急ぎ足で、湯槽への階段を降って行った。
金五郎は、清七に、「もう、銭の話は、すな」といましめた。