轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
「まあ、火のないところに、煙は立たん、といいますけ、警戒だけはしとったがええです。岩戸神楽の山笠です」
その山笠と、数度、すれちがった。しかし、格別、不穏の様子もなかった。金五郎は、ついている大人たちの顔を見まわしてみた。けれども、危険人物もいるようには思われなかった。
「やあ、ええお祭日和で」
「愉快なこッてすなあ」
顔見知りの者と、おだやかに、挨拶さえ交したのである。
「なんでもないじゃないか」
中山にいうと、
「変じゃなあ。デマかな? たしかに、まちがいないという風に、聞いたとですけど。……オヤジ、わかった。夜、夜ですよ。きっと、そうです」
金五郎は、ところどころで、山笠を止めると、二百人以上もいる綱ひきの子供に、ラムネなどを飲ませた。菓子をやった。
日が、暮れた。
街に灯が入ると、祭の様相も変る。山車を曳く連中も、子供より大人が多くなって、酒の勢とともに、どこの山笠も荒っぽくなる。十二区の山笠は、「玉井組のあばれ山笠」とも呼ばれている。金五郎の厳重ないいつけで、喧嘩は絶対にしないけれども、山笠そのものはあばれ放題、元気のよい子分連中が、まるで、山笠をくずしてしまうような練り方をするのだった。