轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
山の人生「アサヒグラフ 第四巻第二号~第五巻第七号」朝日新聞社、1925(大正14)年1月7日~8月12日<br>山人考「大正六年日本歴史地理学会大会講演手稿」1917(大正6)年11月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,022 字 · 226 页
頭も尻尾もなく話はただこれだけだが、その簡単さがむしろこの噂の人の作った物語でないことを感ぜしめる。南方氏の書状はこれにつけ加えて、インドは地方によって狼の穴から生きた人間の赤児を拾ってきた事件が今でも新聞その他におりおり報ぜられる。この国は狼の害甚だ多く、小児の食われる実例が毎年なかなかの数に達し、狼に食われた子供の首飾・腕飾の落ちたのを、山をあるいては拾い集める職業さえある。最近のロミュルスはすなわちこの連中によって発見せられるので、狼が飽満して偶然に食い残した子供が、無邪気に食を求めて狼の乳を吸い、自然に猛獣の愛情を喚起して狼の仔とともに育てられるのだ。或る孤児院へ連れてきた童子などは、四つ這いをして生肉のほかは食わず、うなる以外に言語を知らず、挙動が全然狼の通りであったと報告せられていると示された。ただしこの種の出来事は必ず昔からであろうが、これに基づいて狼を霊物とした信仰はまだ聞かぬに反して、日本の狼は山の神であっても子供を取ったという話ばかり多く伝わり、助け育てたという実例はないようである。故に性急にこの方面から山の赤子の説明を引出そうとしてはならぬのである。