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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
山の人生「アサヒグラフ 第四巻第二号~第五巻第七号」朝日新聞社、1925(大正14)年1月7日~8月12日<br>山人考「大正六年日本歴史地理学会大会講演手稿」1917(大正6)年11月18日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,022 字 · 226 页
三
曰く、「国中に荒振神等を、神問はしに問はしたまひ神掃ひに掃ひたまひて云々」。アラブルカミタチはまた暴神とも荒神とも書してあり、『古語拾遺』などには不順鬼神ともあります。これは多分右申す国つ神の中、ことに強硬に反抗せし部分を、古くからそういっていたものと自分は考えます。
三
前九年・後三年の時代に至って、ようやく完結を告げたところの東征西伐は、要するに国つ神同化の事業を意味していたと思う。東夷に比べると西国の先住民の方が、問題が小さかったように見えますが、豊後・肥前・日向等の『風土記』に、土蜘蛛退治の記事の多いことは、常陸・陸奥等に譲りませず、更に『続日本紀』の文武天皇二年の条には太宰府に勅して豊後の大野、肥後の鞠智、肥前の基肄の三城を修繕せしめられた記事があります。これはもとより海※の御備えでないことは、地形を一見なされたらすぐにわかります。土蜘蛛にはまた近畿地方に住した者もありました。『摂津風土記』の残篇にも記事があり、大和にはもとより国樔がおりました。国樔と土蜘蛛とは同じもののように、『常陸風土記』には記してあります。
北東日本の開拓史をみますると、時代とともに次々に北に向って経営の歩を進め。