轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

やまのじんせい

山の人生

柳田 国男

山の人生「アサヒグラフ 第四巻第二号~第五巻第七号」朝日新聞社、1925(大正14)年1月7日~8月12日<br>山人考「大正六年日本歴史地理学会大会講演手稿」1917(大正6)年11月18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 116,022 字 · 226 页

青空文庫

二九 巨人の足跡を崇敬せしこと

今でもこの谷に入って若し硫黄の一片でも拾おうとする者があれば、必ず峰の上から大声で、そこ取んなアとどなる者があると謂い、また首を捻じられるからと少しでも侵す者は無いそうだ。またこの辺の村に往って天狗などはこの世に無いものだとでも言おうものなら、必ずこの何右衛門の話を聞かされる。この時の人夫の一人に、近い頃まで生きていたのであって、その老人から直接にこの話を聴いた者は幾人もあったのである。

二九 巨人の足跡を崇敬せしこと

山人の丈の高いということは、古くからの話であったと見えて、オオヒトという別名も久しく行われていた。これもオオヒトというからには、ちっとやそっとでは承知ができず、見上げるような高い樹の幹に、皮を剥いだ痕があったとか、五六尺もある萱原に、腰から下だけが隠れていたとか、または山小屋を跨いでゆさぶったとか、いろいろな珍しい話を伝えているかと思うと、一方には我々とたいてい同じくらいの、やや頑丈なる体格であったといい、六尺より低いのは見たことがないという類の、穏健なる記録もまたいくらもあったので、きのこか何かででもない以上は、そのような大小不揃いの物があるわけはないから、すなわちこれも又聞きの場合の掛値であったことを、想像しえられるのである。