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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

五月十六日

五月十七日

五月二十日

行列に立つ人間、まるで形式的だから。

銀閣寺、大雅堂の秋の山水に印象を受ける。

蕪村の茶がけ

化けそうな傘かす寺や山時雨

短冊の絵入る

神経的なような今の人間のような字なり、襖絵は感服せず。

京極を歩き、文楽をきく、錣太夫が頭、二十四孝、吃又。(これ大いによろし)

八重垣姫をつかった文五郎神秘さがかけ、狐火の辺おし。

〔欄外に〕

相阿彌の庭、よろしからず、特に西湖になぞらえた銀沙灘など、妙なものなり、

五月十六日(土曜)

加茂川辺に新築のYの父上の家を訪問。

植物園にゆく、ひろくて、愉快、東京のよりも快活でよろし。

かえりにすっぽん、すっぽんづらの爺。

Yの姉の家に廻る。

五月十七日(日曜)

Yの父上のところで御馳走。

はもの子、いかの生身

かえりに磯田や

五月二十日(水曜)

博物館、智積院。

博物館で古い仏像と、書などを沢山見、

智積院で山楽の屏風を見る。桃山時代の室内装飾がナポレオンのアンピール式に、豪華なのに興味を感ず。山楽のは、柳に白百合を配したのを最もこのむ。柳の凄さ、細葉のあついかげなどよく現れて居る。途中で切ったと見え、別なのがはりつけて補足してあった。