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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

六月二十六日

六月二十七日

六月二十八日

あげく、夜、又、胃が苦しく痛んだ。だれもたのめず。ひとりで、背を押え、あけがた眠る。ああ痛いなと思い、こんな持病が出来たのか、やれやれと思い、Yは伊豆に行ったろうか、自分も温泉につかりたいな、どっぷりとつかってあったまったら痛いのもなおろう、などうつらうつらと思う。

六月二十六日(金曜)

人の出入りひどく、さわがしいことと云ったらなし。母上、そのラッシュが幾分愉快らし。自分、沈んだ気分でなるたけ、上段ににげて居る。二つの命令の出ることはよくないから。

Yへの手紙、まだ疲労がぬけない。食慾なく、僅かのカユをたべる。

六月二十七日(土曜)

父上、御遺骨を捧げて来着。

陰気に、やや沈んで見えた。心持よくわかる。

Yへ手紙を書く。

その後の様子が知れないので、どうしてどこに居るのかと不安なり。

六月二十八日(日曜)晴

亡祖母上の埋骨式、

引くりかえるような騒ぎなり。

酔っぱらって、溜息をつき、袴に足を突込んではよたよたした神官安藤。

まるでそぐわない伶人

疲労。

祖母を愛したものはなかったのだな、一人も彼女についての思い出を語るものなし。

自分、墓所に槇の木一対を奉る。