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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

十一月六日

十一月七日

Y、やはり夢を見る。

三宅さんが来てパンをたべ。おはちを買う夢。Y、内藤さんのところにゆき自分ついてゆき高樹町の家を見る。ペケ、麻布に広告があるのでゆき、交番で、島田という家をきく。

「ああ坊さんですね」

「――家を見に来たんですが」Y

「二三軒あいてますよ」

「へえ、どうして一時にあいたんでしょう」

「証明は出来ないが、何でも」巡査にやにや笑う

「元墓地であったそうで、夜中に今晩は、今晩はと云って起しに来るそうです」

「じゃあいやだわ! よくきいた、よくきいた。」

十一月六日(金曜)晴

実によき日、少し風があるが。

庭に咲いた菊を剪って、コップにさし、Y、と自分との机の上に飾った。

中公の伊藤氏来。瀧田氏の追回を書いてくれと云って来た。4枚位。

Y、ブブノワ。

十一月七日(土曜)

博物館の仏画展覧会を※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ーリャ・ブブノワと見る。ブブノワ、よき人なれども一向芸術家でない。直観というものが殆どないようだ。画立派。特に第二室にあった有名な観音、象にのった、並その左どなりの仏界マンダラ等忘れがたし。帝展す通り。あの調子のよわさ。中へ入ると空気が稀薄になったようだ。