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にっき
日記
宮本 百合子
11 一九二五年(大正十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页
十一月十二日
十一月十三日
文字でもこれは出来る。
リサイタルで、国男と春江とに会う。
Y、Kが始めからきらいな由、ずっと不快そうにして居気がかりであった。Kが、きっと情が深くないだろうと云う。又、単純でない、朗かでないと。成程、そういうところは、確に在る。
「あのひとも、ムッテリアンだな、ああいう家族から全くどうして君のような人が出たかと思う」
自分、Kとは子供のうちから仲よく暮し、いつもフェボラブルな批評しか出来ない。Yにそう云われ、鋭い彼女のことだからきっとそういうところもあるかと思うが、愛はかわらず。やはり国ちゃんだ。妙なもの。皆が生れてからのカン境による狭さプレジュダイスをもって居る。なさけないものなり。
十一月十二日(木曜)
Y、会。朝がすむとすぐ出かける。
自分仕事だんだんはっきりし始める。ただ始めのところ、これまでと同じようになってはいけないと些か工夫を廻す。
十一月十三日(金曜)雨
すっかり下が暗いので、二階の六畳の方に机を入れ、暫時居候。いよいよ書き出す。割合、素直にゆき四枚。
Y、ブブノワ、そのためによんだ、チェホフの短篇を話してくれる。英語でよむのとは大分違うらしい。