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にっき

日記

宮本 百合子

12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页

青空文庫

六月十一日

これをしまう頃、国男、春江二人来る。よく来てくれたと、助った気持し。夕飯四人でたべ、十時頃まで居てかえる。国男、少々ヒポコンデリアの気味であった。夜 bed でねたが、何としても眠られず、異様な淋しさ、淋しさに追い立てられて二階へ上り、Yの床をしき、机の上で歌のようなものをかき、鴎外全集中短篇小説のホンヤクなどをよみつつ眠る。

ガスタヴ・ウィードの「尼」、「薔薇」、フローベルの「聖ジュリアン」、アナトオル・フランスの「舞踏」等。

フランスの皮肉さ。

六月十一日(金曜)

すっかり仕事をしまい、菅氏へ送り出してしまう。辛かった。辛かった。

夜Yかえると思い、楽しみに楽しみに待って居たところへ、午後三時すぎて電報。ケサノリオクレタアスアサタツモヤー

がっかりし、泣き出したい位になった。

憤然とす、のりおくれるということがあるものか。本当にかえりたいと思ったら、誰がのりおくれなんぞする……と。

然し考えなおし、まあよいよいと思う。一日位当てがはずれて、斯うがっかりしては、我ながらたよりにならない。腹に力のない奴と思いなおす。午後渡辺竹中二人づれで来た。渡辺氏どうしたかひどく笑いはしゃぐ。