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にっき
日記
宮本 百合子
12 一九二六年(大正十五年・昭和元年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 25,679 字 · 52 页
十一月十三日
テンテコ舞をして会へ行ったが電車の工合わるくて四時。Y、電車の中で「一太と母」をよむ。乙の由。Yの点カラし、二人でフィリッポフの部屋に行く。自分とめられてサンドウィッチの御馳走になり、郵便局へ廻ってかえって来る。Yは日露芸術協会の集りへゆく。
軽部さんが居てしきりに気焔をあげて居た由。
〔欄外に〕
八木さんへ、Y一人ゆく。さくや三時すぎで九時すぎ。
僅かしか眠らないのにオキューで元気だとはおどろいた。
十一月十三日(土曜)
弘道会で辻村さんの論語と源氏があるのでYと二人ゆく。始め、妙な式などするので、ムッテルが挨拶をし、山岡のお婆さんが妙な道徳論などするので、苦しい位きはずかしかったが辻村さんの講義は面白し。人間が一寸ありふれた女でないから。この頃、第四土曜も行きたいと思う。
かえりに渋谷でスシをたべて居たら、ケイオーの学生というの、中條さんではありませんかと云い、訪ねて来るという。キネマの、ナタリー・コバンコをあてにしてたのしみにして行ったのに、ナタリーを美しいドレイの女にしてカトランの王侯が救い出すというようなのでつまらず。コバンコをああ使うカントクの頭のわるさ。