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にっき
日記
宮本 百合子
15 一九二九年(昭和四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页
八日
八日 金 雨
せっかくした洗濯が雨のためかわかず。閉口、フランス語。この先生、帽子をとったら(初めて)何だか貧相になったが、可愛い女になった。額が出ると人は随分感じがかわるものだ。大して手も入れてない髪がくしゃくしゃと下って居て、何だか可愛いかった。ひたいをかくして、いきなり目だけ出したのと、感じ違う。ひとは額で力、貧しさ、よわさ、つよさなど出すのだな、随分。
夜、片山さんと食事して Com の試演を見てゆくので、おたいらさん朝来てくれた。
今日おたいらさんの顔を見て、生理的病気が起りかけたが、勉強したらなおってよくなった。行ったら片山さんまだ体の工合すっかりよいというのでない。あぶながって三人食事だけして、木村毅に会って、平さんと二人でCGTUの本部へ行った。
この前のよりはよい。第一ロシアの作品はフランス人にこなせぬ。俳優もこの方がつかまえどころを理解して居る。十二時頃すんだ。St. Michel へ行ったところ。
一寸の間に(Caf※(アキュートアクセント付きE小文字) を一杯のんで居た間に)終電車が行ってしまった。
随分歩いて Porte de Versailles までかえり、Taxi でかえった。