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にっき

日記

宮本 百合子

15 一九二九年(昭和四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页

青空文庫

二十九日

ただ相当時間はかかるな。今日は六時になった。

夕飯。下らぬ日本のハラキリや何か話し、十時に上へ上って来た。

今日から木でなく、ストーヴにあのタドンをたいてるので、持ちはよい代り、かさかさした暖かさで不快だ。頸ねっこがあつくなって。盛に瓦斯を発生して空気のためによいと思えぬ。これでは困る。今暖房を手入れ中なのだそうだ。

スエ子が Warsaw で出したハガキついた。

二十九日(火)晴、秋晴れ。

何だかまだすっかり落付かぬと見える。まとまらぬ、することが。ひるまでイギリス教師、本やへ手紙かき。とにかく、今日はよい天気で外へ出ざるべからず。

妻君と手紙入れに行こうとして居たら平さん来。きのうたのんだ小包へ自分 London を入れわすれたのだそうだ。こまったことをした。あれが茂木さんへ着かなかったら閉口頓首。平さんと出て、l'Humanite excelsion スメイヌ・ア・パリを配達して貰うようにたのみ、のこりを買い、モンドを買い、クラマールの森を歩いて栗をうんとひろった。黄葉した林間、浅黄色のエプロンをかけた婆、黒き犬をつれてシャンピニオンをさがしに来て居る。