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にっき
日記
宮本 百合子
15 一九二九年(昭和四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页
十四日
十五日
自分きのうかず子がかえって来た時スミ子さんが額にさわってやって居た、そのときの様子や、かず公の弱々しいところを見て、いやな心持がした。早くよくなれ。佐伯氏になってはやり切れぬぞ。スミ子さんをつれて Bois de Boulogne〔ブーローニュの森〕へドライブに出かけ。
曇って、草の上を歩くと靴に露がつく。家でも黒、赤、茶などが実によく浮立ち、非常に印象的だ。ドガの競馬のような印象があった。
十四日 月曜
もやが改造から「芸術の社会的注文」の理論に対し送って来た九十九円七十五銭をべこにくれた。うれしい。このようなもやの愛、もやのやさしさ、云うばかりなし。
べこ、忘れず、忘れたくなく、この九十九円七十五銭の与えた感じを絵にしたい。
もやへ手紙 33―34
十五日 火 晴
mをつれてプランタンへ買いものに出かけた。m、女の子みたいなものばっかり欲しがった。
改造、秀雄共から金が来た。改造500円 6100 フラン十二銭強だ。秀雄さんの方からは500円これがフランでなかったのは万歳だ。
スエ子風ぎみ。m、口の先でうるさく心配しつつ、実際では何一つしてやらぬ。