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にっき
日記
宮本 百合子
15 一九二九年(昭和四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页
十月二十五日
それからペレールへ荷物とりにより、クラマールへかえる平さんにもたせ、自分 dutot へ行った。もう自動車が待って居る。
すみ子さん、絽の鼠色の dress を着て、いよいよ眉の上のおかっぱを濃く、つかれて、何だかたよりなげに見えた。かず公をつれて、ひとりで二つの骨をもってかえる。来たときのステーション、かえる時のステーション、その思い出で、ステーションへついてからすみ子さん辛そうで、自分マルセーユにゆかぬことを気にした。行く気になって、切符買って貰おうとしたが、すみ子さん何と云ってもきかぬ。今日は一度に二つの見送りをし、何か心にのこった。二つともよろこばしき旅と云えぬ。父母の方も、ましてすみ子さんの方は。ホテルへかえり、吻っとして十時頃ねた。すぐ眠った。
父、国へ 1000F、私へ 4000F のこした。
○この間じゅうずっと家の食事して居る故か横ばら昨今の働きに拘らず重くない。
十月二十五日(金)
Hotel で、うんと眠りたいところ、相当やかましくて、比較的早く目がさめた。いろいろ義理をはたしたく思って居ると安達さんから夜食を食いに来いというわけだ。