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にっき
日記
宮本 百合子
15 一九二九年(昭和四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页
二十七日
二十八日
それだけなら)ひとりで少し神経衰弱的になって居る――その心持わかるには分るが――自分この晩余りいい心持だったから、モヤの方がそんなにしょぼんとしてるのあわれみたいでいやであった。
二十七日(日)不定
朝いかにもよい天気だ。こんな日家に居るのは惜しい。池本さん来。平さんに手伝って貰って荷物どうやら片づけ、出かけて中野秀人氏のところへより、池本さんと四人ムードンの丘へ向って歩き出した。中野氏中途でかえった。(この三人の作るアトモスフェア、安価だ。)
ムードンの天文台、一寸よかったが――パリの展望大したことなく(天気不足のため)ずっと歩いてムードンの森をぬけ、クラマールの森をぬけ、七時すぎかえって食事。うちの婆さん平君に飯を食わせる筈だったと云ってきかぬので、フランシーヌと二人でおっかけたが間に合わず。
入浴。十二時頃にねた。
二十八日(月)雨。
いかにも秋の雨だ。風も吹く。外へ出る気も暇もない。朝、マルクスのロビンソン物語を一寸よみ、Yへ手紙39を書き、ひるをたべて一寸したら平さん来。
経済第一日、緒言。
何だかよくわかる。知って居ることを云われるようで――つまり初耳ではないという感――到って入りよい。