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にっき
日記
宮本 百合子
15 一九二九年(昭和四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页
三月三十日
三月三十一日
○今日は朝すっかり曇って居て、ひる頃日がさしたと思ったら夕方急に雪が降ったりした。
春先らしいむらな天候。不安な美にみちた鋭い天気であった。
――○――
中井さんからの手紙。
Yの父上元気な由、よかった。自分本当は少し気にして居たのだ。
三月三十日
新聞売の爺――また新しい冬がはじまりました。
窓外では雪が降って居る。大きい、風で舞う雪片だ。
○午後雪やむ。
苅田さんのところへ手紙を書き、亢奮し泣いたのでつかれ обед の後眠って居るところへY来た。苅田さんと林町へ電報を打ってくれた由。よかった。
今日カリーニンの十年間の勤労表彰みたいなわけで新聞に多く彼のことが書いてある。
「彼の第一の妻はコーカサス女であった由、今は第何人目か、何人もって居るのか。
カリーニンはオペレット、セマシコはオペラ、ルナチャルスキーはヴァレー」
○月曜日に退院してもよいことにきまった。
三月三十一日
晴れ、風のない静かな日だ。
部屋掃除の間廊下の長椅子にかけて居たら、三四人次第にかたまっていろんな話が出た。
自殺の話
始りは三号のお婆さんが散歩に出かける、外套の下から白い病衣のスカートが見えた。