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にっき
日記
宮本 百合子
15 一九二九年(昭和四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 79,482 字 · 160 页
四月一日
四月一日(月)
身持ちのターニャのかわりにニャーニャが一人来た。(いい加減の年だのにまるで桃色の靴下)始めてでまだ馴れず、気むずかしげな顔で、ゆっくり部屋掃除をして行った。
曇り、又雪が氷って白く往来の上に見える。
○「漁夫の反抗」面白い小説だ。上手に書いてある。つよい把握力で素材をぐっぐっと引き抜いて来て居る。
○ニャーニャが片づけ始めたので何心なく机の上を見たらYの財布がある。昨夜どうしてかえったろう。外套に電車賃があったのだろうが――Yよくこの財布は私の机の上において行く。手なれた財布形のオリブ色の財布を手にとるとスート〔スーツ〕を着たYの姿、白いコフトチカ〔ジャケット〕と黒いネクタイの上の頬ぺたの辺がありあり浮んだ。
◎「雪の下」の花、つよい香はないものと思ったら三号のローズ色ずくめの女のひとの小机にやっぱり雪の下があり、それはきつい爽やかないい匂いを持って居た。
○自分の気分幾らか green Monday だ。病院〔約二字不明〕がそうなのは面白い、晴雨に空の下で
○ドイツのプロレタリアート作家
クレベラ
ヒューンベルグ
ロルベーラが Moscow へ来る。