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にっき

日記

宮本 百合子

04 一九一七年(大正六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页

青空文庫

二月二十一日

二月二十二日

レオナルド、終に羽根を作り得なかった彼の死んで組み合わされた手の上に、彼に助けられた燕がとまった。

どうでも、歩みこたえなければならない。衷心の孤独な感じが苦しい。

『中央公論』の瀧田氏、四月のへと、七月の自然号への執筆をたのまれる。七月のへは書きたくもあるようだ。

二月二十一日(水曜)

「日は輝けり」、をなおす。そんなにどこがどう悪いと云うのではなくっても、不満だ。いやな心持がして仕方がない。九月までには、うんと立派なのを作らずには置かれない。それまでは、何へも書かない。が、書いたら、目のさめるようなのを書かずにはすまされない。此頃の心持で行くと、いいものが出来そうだ。何故なら、「日は輝けり」より材料はもっと、新鮮だし、又、あれを書く前よりもっと燃焼し、自由であり、力に満ちて居る。考えると胸が踊る。

夜母様と書こうとするものについて話し合って仕舞いには、私は、ふるえながら泣き出して仕舞った。

二月二十二日(木曜)

長谷川先生のところへ行く。ベニスの話や何かして被居っしゃった。イタリーは一体日本人に合うらしいなどと云って、又行きたそうに見えた。若い女を見て、戯談を云わないのは、英国の労働者丈だそうだ。