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にっき

日記

宮本 百合子

04 一九一七年(大正六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页

青空文庫

四月十一日

修道院の僧服も軍隊の軍服もこれから来たものだ」と云うのを見る。面白いことだと思う。吾々が、――日本の女子が、斯う云う風に統一されてしまった服装で居ることは、或意味に於ては動くことない内的生活に関係のあることだとも云えよう。「歎異鈔」をもう一度よんで見る。先に見たときよりまるで違った発見がある。自然とキリスト教との比較にもなる。

四月十一日(水曜)

夜になってから母様と、シビリゼイションを見に行く。大変大変こんで居て、頭が痛むようであったが、八時頃からすいて、大変面白い――と云うより寧ろ、感激多く見終った。とにかく、戦争がなかったら、とうてい出ない写真である。いかにも文化の力を思わせられるほど大仕かけである。写真としては抜かせないものかもしれないが、中にはあんまり残酷なのがあって、見るに堪えないようであったところもある。かなり宗教的なもので、クリスチャンにはさぞ尊く見えるだろう。かえりに奴うなぎで食事をする。竹葉とはまるで違った心持のうちで、出て来る女中もお召に、縮緬の帯なんかをしめて、とにかく小ざっぱりとして居る。どっからかながして来た新内が久し振りで珍らしい。