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にっき

日記

宮本 百合子

04 一九一七年(大正六年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页

青空文庫

四月十九日

聖霊と云うのを Holy ghost と書いてあるのなどが、一寸皮肉なような心持を起させられる。

夜英語をしてから、母様達といろんな話をする。母様達の結婚時代のことなどをきくと、よくあれで安心出来たと思う位、すべては単純に、てっとりばやく出来て居る。それでも何でもなくああやって居られるのだから、幸福だと思う。幸福と云うものは、決して理屈から生れるものではない。

四月十九日(木曜)

ますます書きたくなって来る。けれども、ひまがない。来週中の英語を少しかたをつけて置こうと思って misunderstood 丈はすっかりやって、会話の材料も大抵はまとめて置いた。千葉先生の会。皆あんまり活気がない。何でもなく思うことを話すことをしない。今日の御話はかなり座談的のものではあったが、タゴールに関してのことは一寸面白いと思った。それから、弟さんが話された。一高の仏語の教師のことをきいたときには、思わず涙ぐまれた。彼は大変いい人だった。で、ある試験のとき一生徒がその人の面前で、ノートを出した。そして見て居たら、その仏人は両手で、目を掩うて、その若し見れば叱らなければならない光景を見まいとしたと云うのである。