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にっき
日記
宮本 百合子
04 一九一七年(大正六年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,447 字 · 76 页
六月十八日
六月十九日
六月十八日(月曜)
千葉先生から早速手紙を下さる。桑木氏、上田氏、方々の研究法をきくことにする。「戦争と平和」をよむ。ピエールが、妻に最後の面会をするところなどは、私によくあの場合、エレンの胸にあることをよむことが出来る。美くしくて、利口で、人望のある夫人は、良人にああ云うような気持にさせることを、或時は意識し、或時は無意識に何度くり返して居るかしれない。
安達の細君が来て、安積では皆人を出して、年よりが独りで居ると云うことをきいた。H家がああ云う夫人をめとったので、親類中の渦の中心になって居る。今に何も彼もどうにかされてしまうようなことに、両親は話して居られる。親類もたよって居るようなものはなく、皆に何か期待される位置になると、いやなことばかり耳に入る。
六月十九日(火曜)
雨がふる。午後二時から千葉先生の十二日会がある。レオナルド・ダ・ヴィンチのことをおっしゃったが、私が大変心を打たれたことは、「今私共が斯うやってレオナルド・ダ・ヴィンチはえらかったと崇拝して居ても、彼の耳には届かない。つまり彼の生涯は淋しいものであったのだ、其処を考えなければならない」